【No,137】ワイルド・ソウル

今まで読んだ小説の中で、抜群に面白かった。

先輩に紹介していただいた本。

著者の垣根涼介も新卒でリクルートに入社している。
その後の経歴も面白い。

高校卒業と同時に上京し、筑波大学に入学する。卒業後リクルートに入社する。2年で退職し、1年間ブラブラしていた。次に就職した商社は3ヵ月で辞め、その次の旅行代理店には7年半勤務した。

求人広告の制作で文章やコピーを書いていたのが作家になったきっかけだった。1カ月間の研修で直後にディレクターになり、仕事毎に雇う関係スタッフたちに見くびられ統率できず、プロのことは何も分からないが、自分は文字で一つ抜きん出たものをつかみたいと、文章力が高いと思った純文学の本を読むようになる。1日1冊2年間で700冊の本を読んだが分野はミステリへも広がり読書自体にはまる。

やがて、バブル景気の28歳の時にローンでマンションを購入したが、景気悪化や転勤で返済のメドが立たなくなり破産の可能性も見える。これではいけないと思い賞金を狙って、昼間は会社で働き、家に帰ってから小説を書くという生活を2年続けた。そうして書き上げた初めての小説『午前三時のルースター』を公募ガイドで当時賞金の最高額のサントリーミステリー大賞に応募し、読者賞をダブル受賞する。これで会社を辞めて専業作家となる。2004年、『ワイルド・ソウル』で大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞を受賞し、史上初の三冠受賞を成し遂げる。2005年には『君たちに明日はない』で山本周五郎賞を受賞した。

戦後ブラジルに渡った何万人もの日本人。

彼らの苦難と、彼らの子孫が企てる復讐劇。
めちゃくちゃ面白かった。
自分が知らなかった歴史を知ることもできた。

読んでいるうち、なんだか自分にも力が湧いてきた。

小説って、持っているパワーがすごい。
すごすぎて疲れてしまうくらい。

だが今は、はっきりと分かる。

命とは、生き方を指している。

ワイルド・ソウル
ぜひ読んでみてください。