【vol.056】ヤンゲール著、「人間の街」まとめメモ

自動車ではなく人びとを街に招き入れれば、それに呼応して歩行者通行とアクティビティが増加する。

よりよい都市空間が用意されると利用が増加する。この結論は、大きな都市公共空間でも個々の都市空間でも、ずっとちいさなベンチや椅子でも明らかに有効である。

自転車のための条件を改善すると、より多くの人が自転車を利用するようになる。だが、歩行者のための条件改善は、歩行者交通を強化するだけでなく、街のアクティビティを強化する。これはいっそう重要な点である。

街路は「先へ進んでください」と移動の合図を送り、広場は心理的に滞留の合図を送る。

歩行者は時速5km.自転車は時速18km.車は時速60km.それぞれのスケールに合わせた街の計画が重要。

<スケールを抑えると街がおもしろくなり、活気づいて「温かく」なる>

交流の舞台における距離と強度、親密度、暖かさの結びつきは、街や都市空間の解読や体験と興味深い対応関係を持っている。狭い通りや小さな空間では、まわりの建物、ディテール、人びとを身近に見ることができる。そこには吸収すべきものがたくさんあり、建物と活動があふれていて、私たちはそれらを濃密に体験することができる。

利用者は少ないが大きな空間を設計したい。「安全のため」に建物のあいだの空間を数メートル拡げたい。ものような衝動に駆られたときは、ほどんどの場合、「迷ったときは数メートル削りなさい」という格言に従って広さを抑えたほうがよい。 

<街のアクティビティを増進する3つのキーワード>

「理にかなった簡潔な最短距離の経路」「ほどよい大きさの空間」「空間の重要度がはっきりわかる明快な段階構成」

<交通がゆっくりしていると、街が活き活きする>

街のアクティビティは「どれだけ多く」と「どれだけ長く」の積である。このことを念頭に置くと、多くの都市現象を理解しやすくなる。

街のアクティビティを強化するには、計画にあたって数と時間の双方を考慮することが必要である。

世界各地で、魅力的な商店街には同じリズムが見られる。

100メートルのあいだに15-20店舗が並ぶと、歩行者は4-5病ごとに新しい体験をすることができる。→店舗や屋台の間口が平均5-6メートル。

心理学実験によると、人間の感覚は、4-5秒という短い間隔で刺激を必要としており、それによって刺激不足と刺激過剰のあいだの均衡が保たれている。

都市計画家は、主要歩行経路沿いの1階を活動的で興味深いものにする努力を払わねばならない。

多くの人が抵抗なくあるくことができる距離は500m

誘発したいアクティビティを考える→それが行われる空間を考える→それを実現する建築をつくる。

2016年19冊目。